生活保護費の月額はいくら?計算方法や内訳、地域によっての一例もご紹介

生活保護の受給額はいくら?支給額、計算方法について

 

生活保護法により保護される人の満たすべき条件、基準については生活保護がもらえる条件のページで説明しました。ここからは、生活保護を受けると具体的にはどのくらいのお金がもらえるのかということについて説明していきます。

生活保護費の受け取れる金額は一律ではない

生活保護費は一律ではありません。

 

生活保護受給者と一言で言っても、各世帯で受給額が異なるのです。

 

基本となる生活費に加え、世帯構成などによって必要な金額が上乗せされます。世帯によって必要なものは異なるので、同じ世帯構成で同じ人数であっても、支給額が同じになるわけではありません。

 

生活保護は家族だけでなく、1人暮らしの人も受給することが可能です。もちろん、人数が増えればそれだけお金が必要となるので、人数に応じて支給額は変わります。

 

そのため、何も聞かずにいくらもらえると断言することはできませんが、自分である程度調べることはできるので、正しい計算方法を知り、受給額を調べてみてはいかがでしょうか?

  • 生活保護費の内訳
  • 受給額に影響する要素
  • 生活保護費の正しい計算方法

などをご紹介していきます。

支給額は8つの扶助に基づく

生活保護には8つの扶助があり、受給世帯が必要としている扶助を受けることが出来ます。

  1. 生活扶助
  2. 教育扶助
  3. 住宅扶助
  4. 医療扶助
  5. 介護扶助
  6. 出産扶助
  7. 生業扶助
  8. 葬祭扶助

一例として、子供がいる世帯には学校にかかる費用として教育扶助が、介護が必要な高齢者がいる場合には、介護サービスを利用するための介護扶助が支給されます。(※それぞれの扶助ページを参照のこと)

 

このように受給者のみならず、家族も安全で文化的な生活を送るために、必要な最低限の金額が支給されるのです。

毎月支給されるもの

安定して得られる金額は、この毎月受けられる扶助によって決まります。当てはまる扶助は以下の通りです。

  • 生活扶助
  • 住宅扶助
  • 教育扶助
  • 生業扶助(高校生がいる場合)
  • 加算(条件を満たした場合

各項目でいくらもらえるのか調べ、合算すれば金額が出ます。

必要なときに支給されるもの

常に受け取れるわけではないものの、必要に応じて受けられる扶助もあります。当てはまる扶助は以下の通りです。

  • 出産扶助
  • 葬祭扶助
  • 一時扶助
  • 医療扶助
  • 介護扶助
  • 生業扶助(事業資金や技能取得費、就職支度費)

生業扶助は毎月支給されるものと必要なときにもらえるものとに分かれており、後者は仕事に関わる部分に支給されるお金となっています。また、出産扶助や葬祭扶助、一時扶助は限度額内で必要な金額だけ支給されるものです。

 

医療扶助や介護扶助はお金の支給ではなく、サービスの提供という形になっています。そのため、窓口などでの支払いは必要ありません。

受給額に大きく影響する要素は?

生活保護費の金額は、世帯状況や必要な支援によって異なります。特に受給額に影響する点は、以下の通りです。

  • 居住地の級地
  • 世帯人数や家族構成

それぞれどのような状況で、どのくらいのお金がもらえるのか確認していきましょう。

まずは居住地の級地をチェック!

生活保護では市区町村を6つのランクに分けています。住んでいる地域によって生活に必要受給額が違います。また、年度によっても変動するため、どのくらいもらえるのか毎年確認しておくといいでしょう。

 

最も受給額が多いのが1級地−1で、最も少ないのが3級地ー2です。東京都や大阪のように物価が高い地域は、1級地−1、1級地−2に当てはまる市や区も多く、地方では2級地以下となっています。

世帯人数や家族構成で金額は異なる

世帯ごとに人数が異なるため、それに合わせて受給額が設定されています。人数が多ければ多いほど金額も増えるということです。

 

また、生活保護受給者の年齢も受給額に影響しています。例えば、20代と70代を比べると、20代の方が数千円ほど多くもらえるのです。お金がかかる世代には、それに見合った金額が支給されるので安心して生活できます。

生活保護費の計算方法を正しく知ろう

生活保護世帯に支給される金額は、以下の計算式で算出できます。

 

■生活保護費(月額)
生活保護費=生活扶助+住宅扶助+加算+その他の扶助

 

生活扶助、住宅扶助、加算、その他の扶助についてどのように金額を出すのか見ていきましょう。

生活扶助を計算する

まずは生活扶助の金額を調べます。

 

参照:厚生労働省【生活保護基準額表】

 

生活扶助では、生活扶助基準@とAを計算し、金額が大きい方を適用します。ただし、@は0.9をかけた金額で比較するので気をつけましょう。

生活扶助基準@

生活扶助基準@では、以下の金額を調べ、計算していきます。

  • 級地と年齢によって異なる支給額−A
  • 逓減率(ていげんりつ)−B
  • 級地と世帯人数によって異なる支給額−C

計算式は(A×B)+Cです。

 

級地と年齢による金額を家族全員分調べたら合計しましょう。そして、世帯人数と級地から照らし出した逓減率を確認し、Aにかけます。最後にCを表から見つけたら、先ほどの金額にプラスしてください。

 

これで生活扶助基準@を求められます。

生活扶助基準A

次に生活扶助基準Aを計算しましょう。生活扶助基準@と同じ計算式ですが、金額を調べる表が異なるので注意が必要です。

@×0.9とAを比較

生活扶助基準@に0.9をかけてみましょう。その金額と生活扶助基準Aの金額はどちらが大きいでしょうか?

 

より金額が大きい方が、今後生活扶助として受け取れる金額として適用されます。

住宅扶助の限度額を調べる

住宅扶助はその名の通り、住宅にかかるお金を負担してもらうものです。生活保護を受けている方は、資産価値のある持ち家は売却することになるため、基本的に賃貸アパートなどに住むことになります。家賃が発生するので、その分のお金を住宅扶助で支給してもらいます。

 

ただし、級地や自治体、世帯状況などに応じて限度額が設けられています。予算内に収めることになるため、必要以上に大きな部屋を選ぶなどして、住むところを自由に決めるのは難しいです。

 

また、資産価値がない持ち家の場合は手放さなくてもいいのですが、その場合には家賃がかからないので住宅扶助は受けられません。

加算があるか調べる

世帯によっては必要な金額が加算されます。

加算の種類
  • 母子加算…中学生以下の子どもがいる世帯が対象
  • 児童養育加算…中学生以下の子どもがいる世帯が対象
  • 妊婦加算…妊婦が対象
  • 産婦加算…出産後の母親が対象
  • 障害者加算…障害者が対象

これらの加算には級地も関わっているので、表を確認し金額を調べておきましょう。

他に受けられる扶助を把握する

教育扶助や生業扶助、そして必要なときだけお金を受け取れる出産扶助や葬祭扶助、一時扶助が受けられるのかを確認しましょう。特に、生活扶助だけではまかなえない衣服や布団類、家具などの費用は、一時扶助を活用すれば限度額内で購入することが可能です。

支給額の一例

東京23区 4人家族例

 

例として東京都23区にお住まいで、40代の夫婦2人に高校生と小学生のお子様がおられる家庭で計算しますと、

生活扶助基準額 185,270円
障害者加算 なし
児童養育加算 10,000円
住宅扶助基準額 69,800円

生活保護費は全部で265,070円となります。

 

この中で、住宅扶助の金額が69,800円になっていますが、こちらより現在住んでいる家賃が安い場合には、今現在の家賃分が支給されます。持ち家を所有し、住宅ローンが完済している場合には、住宅扶助は支給されないこととなっています。

滋賀県郊外 4人家族例

 

次に滋賀県の郊外にお住まいの場合です。

 

先程の東京23区と同条件で、40代の夫婦2人に高校生と小学生のお子様がおられる設定で算出してみました。

生活扶助基準額 144,230円
障害者加算 なし
児童養育加算 10,000円
住宅扶助基準額 53,000円

このように生活扶助の基準額は、物価の違いが考慮されることで大幅に下がり、住宅扶助も近隣の家賃相場に合わせて下がっていることがわかります。合計で、207,230円の支給額と認識していただければ大丈夫です。

東京23区 3人母子家庭例

 

さらには、同じ高校生と小学生のお子様と、40代母親の母子家庭として計算してみました。

生活扶助基準額 155,250円
母子家庭加算 24,590円
児童養育加算 10,000円
住宅扶助基準額 69,800円

夫が居ないため、生活扶助の基準額は185,270円から30,020円下がってしまいますが、母子家庭加算と児童養育加算で34,590円加算されますので、生活保護費は全部で259,640円となります。母子家庭で大変だからこそ、4人家族の場合と遜色のない支給額になっていることがわかります。

滋賀県郊外 3人母子家庭例

 

さらに滋賀県の郊外にお住まいで、同じ高校生と小学生のお子様と、40代母親の母子家庭として計算してみました。

生活扶助基準額 124,010円
母子家庭加算 21,200円
児童養育加算 10,000円
住宅扶助基準額 53,000円

合計で208,210円となります。生活扶助基準額は下がるものの、母子家庭加算がプラスされることによって、逆に夫が居て生活保護を受けているより、この自治体のように高い支給額になるところもあります。

 

支給額は地域によって違う

都市部に暮らしていて地方に引っ越した時、物価の安さにびっくりした経験のある方は多いのではないでしょうか。都市部と地方とでは、同じものを購入するにしても金額が異なっているために、生活保護は住んでいる地域に応じた支給額が設定されています。

 

物価の高い都市部の受給者は、地方の受給者よりも支給額が多くなるなど、自分の住む地域がどの支給区分になっているのか、担当ケースワーカーに確認しておくと良いでしょう。

働いている場合の支給額は?

アルバイトやパートで収入はあるものの、その収入だけでは生活をすることが困難な場合は、生活保護を受けることが出来ます。

 

働いて収入がある場合は、生活保護費と働いた収入の両方を受け取ることは出来ませんが、生活保護の支給予定額から、働いた収入分を差し引いた金額が支給されることになっています。

 

生活保護は、受給者の収入や、他の制度を利用出来る場合は利用した上で、足りない分を補うものなのです。