この記事でわかること
資格を取るための費用が出ます
生活保護を受けながら、就労に必要な技能や資格を身につけることができます。その費用が技能修得費です。
| 項目 | 上限額 |
|---|---|
| 技能修得費(資格取得、講習など) | 92,000円以内 |
| 就職支度費(就職が決まったときの費用) | 35,000円以内 |
対象になるのは、受講料、教材費、資格試験の受験料などです。通学にかかる交通費は、技能修得費とは別に実費が認められます。
どんな資格が対象になる?
「就労に結びつくかどうか」が判断のポイントです。次のようなものが考えられます。
- 介護職員初任者研修
- フォークリフト、大型自動車などの運転免許
- 簿記、パソコン関連の資格
- 調理師、理美容などの技能
- ハローワークの職業訓練に伴う費用
ただし、上限額がそのまま支給されるわけではなく、必要と認められた実費が支給されます。また、期間は原則1年以内です。自立に特に効果があると認められる場合は、2年以内で延長されることもあります。
必ず事前に相談してください
受講を申し込む前に、ケースワーカーへ相談してください。自分で申し込んで支払ってしまってからでは、認められないことがあります。
段階を踏んだ就労支援
「すぐに就職しなければならない」というプレッシャーを感じる方がいますが、制度には段階を踏んだ支援が用意されています。
就労準備支援事業
すぐに就職するのが難しい方を対象に、生活リズムを整えるところから支援します。
- 起床や外出など、生活習慣の改善
- あいさつや報告など、基本的な対人スキル
- 職場見学、就労体験
長く働いていない方、対人関係に不安がある方でも、少しずつ慣れていける仕組みです。
被保護者就労支援事業
専門の支援員が、個別に就労を支援します。履歴書の書き方、面接の練習、求人の探し方、ハローワークへの同行などを行います。
就労活動促進費(月額5,000円)
早期に就労して生活保護から抜けられる見込みがある方が、決められた求職活動を行っている場合に支給されます。原則6か月間で、最長1年まで延長できます。
求職活動の要件は、原則として月1回以上の面接、または月3回以上の応募です。
中間的就労という選択肢
一般企業での就労がまだ難しい場合、就労継続支援(いわゆるA型・B型事業所)などを利用しながら、働くことに慣れていく方法もあります。障害者手帳がなくても利用できる場合があります。
就職が決まったときの支援
就職が決まると、意外と出費がかさみます。次のような費用が就職支度費として支給されます(35,000円以内)。
- スーツや作業着
- 靴、かばん
- その他、就職に伴い必要となるもの
また、通勤にかかる交通費は、収入から差し引かれる必要経費として扱われます。
働き始めても、すぐには受給が終わりません
就職してすぐ保護が打ち切られるわけではありません。収入が最低生活費を上回るまでは、差額の支給が続きます。
また、新たに継続的な仕事に就いた場合は新規就労控除(月額12,900円)が6か月間つくため、その分手元に残るお金が増えます。
生活保護を抜けるとき
収入が安定して最低生活費を上回るようになると、生活保護は終了します(廃止)。
就労自立給付金
保護を抜けた直後は、税金や社会保険料、家賃などの支払いが一気に自己負担になり、かえって生活が苦しくなることがあります。
これを緩和するため、就労自立給付金という制度があります。受給中の就労収入の一部を仮想的に積み立てておき、保護廃止時にまとめて支給する仕組みです。
これにより、保護を抜けた直後の生活の立ち上がりを支えます。
廃止と停止の違い
- 停止…一時的に収入が増えた場合など、保護を一時的に止める扱い。状況が戻れば再開できます
- 廃止…保護そのものを終了する扱い。再び必要になった場合は、あらためて申請します
受給を終えることへの不安
「保護が終わったら、また生活できなくなるのでは」という不安を持つ方は多いと思います。
また必要になったら再申請できます
生活保護は何度でも申請できます。一度抜けた後に、失業や病気で再び困窮した場合、あらためて申請して構いません。回数制限はありません。
「一度受けたら二度と受けられない」ということはないので、就労に踏み出すことをためらう必要はありません。
抜けた後に使える制度もあります
保護を終えた後も、生活困窮者自立支援制度の相談窓口は利用できます。家計の相談や就労の相談を続けることができます。
また、住民税非課税世帯であれば、各種の減免制度や給付金の対象になることもあります。
無理のないペースで
制度には「自立の助長」という目的がありますが、これは急いで就職させることではありません。体調や状況に応じて、段階を踏んで進めていくものです。
体調が優れないのに就労を強く求められるようなことがあれば、その状況を具体的に伝えてください。医師の意見が必要であれば、医療扶助で受診できます。
働くことは、収入を得る手段であると同時に、生活の見通しを取り戻すことでもあります。焦らず、使える支援を使いながら進めてください。
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