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生業扶助とは

8つの扶助の中で、やや性格が異なるのが生業扶助です。他の扶助が「今の生活を維持する」ためのものであるのに対し、生業扶助は自立に向けた準備を支えるという目的を持っています。

大きく分けて、次の3つが対象です。

  • 技能修得費…資格取得や職業訓練にかかる費用
  • 就職支度費…就職が決まったときに必要になる費用
  • 高等学校等就学費…高校に通うための費用

高校の費用がここに含まれるのは、高校卒業が就労の前提になっている現状を踏まえたものです。

資格取得・技能修得費

就労に必要な技能や資格を身につけるための費用です。

項目 上限額
技能修得費 92,000円以内
通所にかかる交通費 実費(別枠)

対象になる費用

  • 講座や講習の受講料
  • 教材費、テキスト代
  • 資格試験の受験料
  • 職業訓練に必要な費用

どんな資格が認められる?

判断のポイントは「就労に結びつくかどうか」です。次のようなものが考えられます。

  • 介護職員初任者研修
  • フォークリフト、大型自動車などの運転免許
  • 簿記、パソコン関連の資格
  • 調理師、理美容などの技能

「持っておくと便利だから」という理由では認められません。その資格があることで就職の可能性がどう高まるかを、具体的に説明できることが必要です。

上限額がそのまま出るわけではありません

92,000円というのは上限であり、必要と認められた実費が支給されます。見積書や受講案内の提出を求められるのが一般的です。

期間の目安

技能修得の期間は原則1年以内です。自立に特に効果があると認められる場合は、2年以内で延長されることもあります。

就職支度費

就職が決まると、意外と出費がかさみます。これにあてるのが就職支度費です。

就職支度費 35,000円以内

対象になるのは次のようなものです。

  • スーツ、作業着
  • 靴、かばん
  • その他、就職に伴い必要となるもの

なお、通勤にかかる交通費は就職支度費ではなく、収入から差し引かれる必要経費として扱われます。

就職しても、すぐには受給が終わりません

就職が決まっても、収入が最低生活費を上回るまでは差額の支給が続きます。また、新たに継続的な仕事に就いた場合は新規就労控除(月額12,900円)が6か月間つくため、手元に残るお金が増えます。

高校の就学費用

生活保護を受けながら高校に通うことができます。費用は生業扶助の「高等学校等就学費」でまかなわれます。

項目 金額
基本額 月額7,300円
学習支援費 年額101,000円以内
入学考査料 30,000円以内
教材代 正規の授業で使う教材の必要額
授業料・入学料 原則として公立高校の額を基準に支給
通学交通費 必要最小限度の額

就学支援金が優先されます

高校の授業料については、国の高等学校等就学支援金が先に適用されます。就学支援金で授業料がまかなわれる部分について、生活保護から重ねて支給されるわけではありません。

私立高校の場合

私立高校の授業料が無条件で全額支給されるわけではありません。原則は公立高校の額が基準になります。

ただし、就学支援金、自治体独自の授業料軽減制度、奨学給付金などを組み合わせることで負担を抑えられる場合があります。学校や自治体によって使える制度が異なるため、進学先を決める前に確認しておくとよいでしょう。

アルバイト代の扱い

高校生がアルバイトをした場合、収入として申告が必要です。ただし修学旅行費、クラブ活動費、大学等の受験料・入学金などにあてる分は、収入として認定されないことがあります。

事前に福祉事務所へ相談し、使途を明確にしておくことが必要です。無断で貯めていた場合は認められないことがあります。

申請するときの注意点

必ず申し込む前に相談してください

これが最も重要です。自分で講座に申し込んで支払ってしまってからでは、認められないことがあります。

資格を取りたい、講座を受けたいと考えた段階で、まずケースワーカーに相談してください。次のような点を整理して伝えるとスムーズです。

  • どんな資格・技能を身につけたいか
  • その資格が就職にどう結びつくか
  • 受講先、期間、費用(見積もりや案内があれば添えて)
  • 修了後にどのような仕事を目指すか

他の制度も検討されます

ハローワークの公共職業訓練など、他の制度で無料または低額で受講できる場合は、そちらが優先されることがあります。「生活保護から出してもらう」ことにこだわらず、使える制度を幅広く相談してみてください。

就労支援もあわせて使えます

資格取得と並行して、次のような支援も利用できます。

  • 就労準備支援事業…生活リズムを整えるところからの段階的な支援
  • 被保護者就労支援事業…専門の支援員による個別の就労支援
  • 就労活動促進費…求職活動を行っている場合、月額5,000円

生業扶助は、生活を維持するだけでなく、その先へ進むための扶助です。焦らず、使える支援を組み合わせながら進めてください。

あなたの場合はどうなる?

持ち家・車・借金は、同じ「ある」でもローンの有無や名義で結論が変わります。いくつかの質問に答えるだけで、いま何をすればいいかが分かります。

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