一時扶助とは(毎月の保護費とは別のお金)

毎月支給される生活保護費は、日々の暮らしを想定した金額です。そのため、引っ越しや出産、家電の買い替えといった臨時の大きな出費には対応しきれません。

そうしたときに、毎月の保護費とは別に支給されるのが一時扶助です。

ただし、希望すれば誰でももらえるものではありません。次の3つを押さえておいてください。

一時扶助の3つの原則

  • 金額はすべて上限額。申請すれば満額もらえるわけではありません
  • 支給できる事由が限定されています(後述)
  • 買う前に相談・申請が必要。自己判断で先に買うと認められないことがあります

支給が認められる主な事由

家具や家電、布団などの一時扶助は、次のいずれかに当てはまることが前提になります。

  • 生活保護を受け始めたときに、持ち合わせがない
  • 単身の方が長期入院・施設入所から退院・退所して、新たに一人暮らしを始める
  • 災害で失い、災害救助法などの支援では足りない
  • 引っ越しで、住居の設備が変わって今までのものが使えない
  • 犯罪被害や、同居家族からの暴力を避けるために転居する

裏を返すと、受給中に冷蔵庫が古くなって壊れた、といった通常の買い替えは原則として対象外です。これは毎月の生活扶助の中から計画的に備えることが求められています。

家電・家具の購入費

炊事用具や食器、冷蔵庫、洗濯機などの家具什器にあてる費用です。

項目 上限額
炊事用具・食器などの家具什器 36,700円
やむを得ない事情がある場合 58,400円
暖房器具 31,000円
FF式・煙突式など特殊な暖房器具が必要な場合 78,000円

注意していただきたいのは、36,700円というのは「冷蔵庫1台につき」ではなく、必要と認められた家具什器の合計に対する上限だという点です。

また、設置に別途工事費などがかかる場合は、購入費とは別枠で必要最小限の額が認められることがあります。

エアコンは支給される?

エアコンなどの冷房器具は、78,000円の範囲内で支給される場合があります。

ただし、前述の事由(保護開始時に持ち合わせがない、退院して新生活を始める、など)に当てはまることに加えて、次の条件も必要です。

  • 世帯の中に熱中症予防が特に必要な方がいること
  • その後はじめて迎える暑い時期までに、冷房器具の持ち合わせがないこと
  • 福祉事務所が真にやむを得ないと認めること

高齢の方、障害のある方、小さなお子さん、持病のある方などが該当しやすくなります。

一方で、今使っているエアコンが古くなった、故障したという理由での買い替えには、全国一律の基準がありません。健康上の危険や修理の可否などを踏まえて個別に判断されるため、まずは福祉事務所に相談してください。

布団・衣類などの費用

項目 上限額
布団(新しく購入する場合) 1組22,500円
布団(今あるものを再生して使う場合) 1組15,300円
普段着(1人あたり) 15,800円
新生児の寝具・産着・おむつなど 58,400円
入院するときの寝巻など 4,900円
紙おむつ(常時失禁状態の方) 月額26,400円

布団については、通知に「使っていたものを再生して使わせることを第一に考え、むやみに新品を支給しないように」と明記されています。そのため、まず手持ちのものが使えないか確認されます。

紙おむつだけは臨時の出費ではなく継続的に必要になるため、必要な間は毎月支給されます。

入学準備金・引っ越し費用

入学準備金

小学校・中学校に入学するときの制服やランドセル、通学かばんなどの費用です。

  • 小学校等に入学するとき…91,600円以内
  • 中学校等に入学するとき…101,000円以内

入学時だけでなく、就学期間中に成長して制服が着られなくなった場合や、通常の使用で傷んで使えなくなった場合も、同じ範囲内で認められることがあります。

引っ越し費用(移送費)

引っ越しの荷造り費や運搬費は、定額ではなく実費で認められます。ただし福祉事務所の事前承認が必要です。見積もりを取ったうえで、必要最小限の額が認定されます。

移送費は引っ越し以外にも、通院や入退院、施設への入退所、求職活動、出産のための通院などにも適用されます。

就労活動促進費

早期に就労して生活保護から抜けられる見込みがある方が、決められた求職活動を行っている場合、月額5,000円が支給されます。原則6か月間で、必要と認められれば最長1年まで延長できます。

申請するときの注意点

一時扶助を利用するうえで、特に気をつけていただきたい点をまとめます。

  1. 買う前に相談する…自己判断で購入してから申請しても、認められない場合があります。必要になりそうだと分かった時点で、まずケースワーカーに相談してください
  2. 上限額がそのまま支給されるわけではない…実際に必要と認められた額が支給されます。見積書や領収書の提出を求められることがあります
  3. 原則は現物給付…お金が振り込まれるのではなく、品物という形で支給されるのが原則です(適当でない場合は現金でも支給されます)
  4. 中古品や譲渡品も検討される…新品でなくても用が足りる場合は、そちらを先に検討することが求められます

ここで紹介した金額は令和8年度の基準です。基準額は年度ごとに改定されるため、実際の金額と適用の可否は、お住まいの福祉事務所にご確認ください。

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