加算とは何か

生活保護には、基本の生活扶助とは別に加算という上乗せの仕組みがあります。障害がある、ひとり親である、妊娠しているなど、通常より余分にお金がかかる事情がある世帯に対して支給されるものです。

加算は自動的につくものではなく、要件を満たしていることを福祉事務所が確認したうえで適用されます。手帳の交付を受けた、子どもが生まれたなど、状況が変わったときは早めに担当のケースワーカーへ伝えてください。

ここでは主な加算の金額と要件を紹介します。金額はいずれも月額で、地域の級地区分によって変わるものがあります。

障害者加算

障害のある方に支給される加算です。障害の程度によって2つの区分に分かれます。

居住の状況 重い区分 それに次ぐ区分
在宅・1級地 27,460円 18,300円
在宅・2級地 25,540円 17,020円
在宅・3級地 23,620円 15,750円
入院・施設入所 22,850円 15,230円

おおよその目安として、重い区分は身体障害者手帳1・2級、障害基礎年金1級、精神障害者保健福祉手帳1級に相当する方が対象です。それに次ぐ区分は、身体障害者手帳3級、障害基礎年金2級、精神障害者保健福祉手帳2級に相当する方が対象になります。

なお、精神障害者保健福祉手帳の3級は、原則として障害者加算の対象になりません。また、手帳を持っているだけで自動的に決まるわけではなく、障害の状態や初診日からの経過期間などを踏まえて福祉事務所が判定します。

介護が必要な場合の追加の加算

通常の障害者加算に加えて、次のような上乗せがあります。

  • 日常生活で常時の介護を必要とする重度の障害がある場合…16,560円
  • 同じ世帯の家族が全面的に介護をしている場合…13,890円
  • 外部の介護人をつける費用が必要な場合…75,820円の範囲内で必要な額

いずれも障害の状態や介護の実態を確認したうえで適用されるもので、全員につくものではありません。

母子加算(ひとり親世帯)

「母子加算」という名前ですが、母子世帯に限りません。父子世帯や、祖父母など父母以外の方が子どもを養育している世帯も、要件を満たせば対象になります。

級地 子ども1人 子ども2人 子ども3人
1級地 18,800円 23,600円 26,500円
2級地 17,400円 21,800円 24,500円
3級地 16,100円 20,200円 22,700円

子どもが4人以上の場合は、1人増えるごとに1級地で2,900円、2級地で2,700円、3級地で2,500円が加算されます。

対象となる子どもは、原則として18歳になった後の最初の3月31日までです。一定の障害がある場合は20歳未満まで対象になります。

なお、障害者加算と母子加算の両方に該当する場合は、原則として金額の高い方だけが適用されます。

妊産婦加算

妊娠中および出産後の一定期間に支給される加算です。妊娠6か月を境に金額が変わります。

級地 妊娠6か月未満 妊娠6か月以上 産後
1級地・2級地 9,350円 14,120円 8,690円
3級地 7,950円 12,010円 7,390円

産後の加算が続く期間は、授乳の状況によって変わります。母乳で育てている場合は原則6か月間、それ以外は原則3か月間です。

なお、病院に入院して食事が提供されている間は、妊産婦加算は支給されません。

冬季加算・期末一時扶助

冬季加算

暖房費が余分にかかる冬の時期に支給される加算です。寒い地域ほど金額が高く、支給される期間も長く設定されています。おおむね11月から3月にかけて支給され、特に寒冷な地域では10月から4月まで支給されます。

この加算だけは級地区分ではなく、寒さの度合いによる別の地域区分で決まります。単身世帯の場合、温暖な地域では月2千円台、最も寒冷な地域では月1万2千円台と、かなりの開きがあります。

在宅で療養している方や乳児がいる世帯など、暖房を多く使わざるを得ない事情がある場合は、通常額の1.3倍まで認められることがあります。

期末一時扶助

年末年始に増える出費にあてるため、12月に1回だけ上乗せされるお金です。世帯人数と級地によって金額が決まります。

級地 1人 2人 4人
1級地-1 14,500円 23,640円 27,410円
2級地-1 13,190円 21,510円 24,930円
3級地-2 11,240円 18,310円 21,230円

上の表は代表的な級地を抜き出したものです。この間の級地はこれらの中間の金額になります。

高齢者加算は今もある?

結論からいうと、高齢者向けの加算は現在ありません

かつては70歳以上を対象とした「老齢加算」がありましたが、平成16年度から段階的に減額され、平成18年度に完全に廃止されました。一般の低所得高齢者世帯の生活実態と比べたとき、高齢であることによる特別な出費が確認できないと判断されたためです。

廃止を不服とする裁判も各地で起こされましたが、最高裁判所は受給者側の訴えを退けています。同じ時期に段階的に廃止された母子加算は後に復活しましたが、老齢加算は復活していません。

ただし、高齢だからといって支援がなくなるわけではありません。生活扶助の基準額そのものが年齢に応じて設定されているほか、障害がある場合の障害者加算、寒冷地の冬季加算、介護が必要な場合の介護扶助など、状況に応じた仕組みは利用できます。

ここで紹介した金額は令和8年度のものです。加算の基準額は年度ごとに見直されるため、実際に適用される金額は福祉事務所にご確認ください。

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