ひとり親世帯も対象です

母子家庭・父子家庭で、収入が最低生活費を下回っていれば生活保護を利用できます。働いていても、収入が足りなければ差額を受給できます。

ひとり親世帯の場合、次のような事情で収入が安定しないことが少なくありません。

  • 子どもの預け先がなく、フルタイムで働けない
  • 子どもの急な発熱などで欠勤が増える
  • 養育費が支払われていない
  • 非正規雇用で収入が不安定

こうした状況は、生活保護の判断において当然に考慮されます。「働けるはずだ」と一律に判断されるものではありません。

母子加算で支給額が上がります

ひとり親世帯には、通常の生活扶助に加えて母子加算が上乗せされます。

名称は「母子加算」ですが、父子家庭も対象です。また、祖父母など父母以外の方が子どもを養育している場合も、要件を満たせば対象になります。

級地 子ども1人 子ども2人 子ども3人
1級地 18,800円 23,600円 26,500円
2級地 17,400円 21,800円 24,500円
3級地 16,100円 20,200円 22,700円

子どもが4人以上の場合は、1人増えるごとに1級地で2,900円、2級地で2,700円、3級地で2,500円が加算されます。

対象になる子どもの年齢

原則として18歳になった後の最初の3月31日までです。高校卒業の年度末までと考えると分かりやすいでしょう。一定の障害がある場合は20歳未満まで対象になります。

2人世帯の目安

親1人と子ども1人の場合、生活扶助の基準額は級地によって月10万8千円台から12万2千円台です。これに母子加算と住宅扶助が加わるため、最低生活費は月15万円前後になることが多くなります。

子どもにかかる費用の支援

生活扶助と母子加算のほかにも、子どもに関する支援があります。

教育扶助(小中学生)

  • 小学校…月額3,400円
  • 中学校…月額5,300円
  • 給食費、学校指定の教材費、通学交通費…実費
  • 学習支援費(クラブ活動費など)…小学校は年16,400円以内、中学校は年59,800円以内

入学準備金

入学時の制服やランドセルなどの費用として、小学校入学時は91,600円以内、中学校入学時は101,000円以内が支給されます。

入学後でも、成長して制服が着られなくなった場合などに、同じ範囲内で認められることがあります。

高校生の場合(生業扶助)

高校に通いながら生活保護を受けることができます。

  • 高等学校等就学費の基本額…月額7,300円
  • 学習支援費…年101,000円以内
  • 入学考査料…30,000円以内
  • 授業料、入学料…原則として公立高校の額を基準に支給

高校生のアルバイト代

高校生がアルバイトをした場合、収入として申告が必要です。ただし、就学に必要な経費や、大学等への進学準備にあてる分は収入として認定されないことがあります。

対象になり得るのは、修学旅行費、クラブ活動費、学習塾費、大学等の受験料・入学金、就職活動費などです。

ただし事前に福祉事務所へ相談し、使途を明確にしておくことが必要です。無断で貯金していた場合には認められないことがあるので、この点は必ず押さえておいてください。

大学進学の場合

大学や専門学校に通いながらの受給は、原則として認められていません。進学する際は世帯分離という扱いになるのが一般的で、進学した子ども自身は生活保護の対象から外れます。

進学を考えている場合は、奨学金や授業料減免制度について早めに調べておくことをおすすめします。

児童扶養手当などとの関係

児童手当、児童扶養手当、児童育成手当などを受けている場合、これらは収入として扱われます

ただし併給できないわけではなく、手当を受け取ったうえで最低生活費に足りない分が生活保護費として支給される仕組みです。手当があるから受けられない、ということはありません。

なお、第三子以降の児童手当については、一定額が収入認定から除外される取り扱いがあります。

養育費について

元配偶者から養育費を受け取っている場合も、収入として申告が必要です。

養育費が支払われていない場合、その請求に向けた調停や審判のために家庭裁判所へ出向く費用は、移送費として認められることがあります。

離婚前・離婚調停中の場合

離婚が成立していなくても、生活保護を申請できる場合があります。

別居している場合

生活保護は実際の生活実態で世帯を判断します。すでに別居して生計が分かれているのであれば、別世帯として扱われる可能性があります。

ただし、配偶者からの送金がある場合はそれが収入として扱われます。

DVから逃れている場合

配偶者の暴力から逃れて別居している場合は、必ずその事情を伝えてください。

この場合、配偶者への扶養照会は控えられます。厚生労働省の通知には、夫婦のような強い扶養義務がある関係であっても、照会が自立を妨げると認められる場合は扶養照会を控えると明記されています。

また、事実確認のために関係機関へ問い合わせる場合も、相手方に居場所や福祉事務所名などの手がかりが伝わらないよう、慎重に行うこととされています。

配偶者暴力相談支援センターや警察に相談している場合は、その経緯も伝えるとよいでしょう。

子どもを育てながらの生活再建は、一人で抱えるには重すぎることがあります。制度を使うことは、子どものためでもあります。

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