生活扶助とは

生活保護には8種類の扶助がありますが、そのうち日々の暮らしにかかるお金を支える中心的な扶助が生活扶助です。ほぼすべての受給世帯に支給されます。

対象になるのは、次のような日常的な費用です。

  • 食費
  • 衣類、日用品
  • 電気・ガス・水道などの光熱水費
  • 家具や家電などの生活用品
  • 交通費、通信費

家賃は生活扶助ではなく住宅扶助という別枠で支給されるため、生活費を削って家賃を払う必要はありません。医療費も医療扶助でまかなわれます。

現金で支給されます

医療扶助や介護扶助が「現物給付」(費用が直接医療機関などへ支払われる方式)であるのに対し、生活扶助は現金で支給されます。毎月決まった日に、口座振込または窓口で受け取ります。支給日は自治体によって異なります。

第1類費と第2類費

生活扶助の金額は、性質の違う2つの費用を足し合わせて計算されます。この仕組みを知っておくと、なぜ世帯人数に比例して増えないのかが理解できます。

第1類費(個人にかかる費用)

食費や衣類など、世帯員1人ごとにかかる費用です。年齢によって単価が変わります。食べる量や必要な衣類が年齢で違うためです。

世帯人数が増えるほど1人あたりの単価は少しずつ抑えられる仕組み(逓減率といいます)になっています。

第2類費(世帯にかかる費用)

光熱水費や家具など、世帯全体でまとめてかかる費用です。1人暮らしでも4人家族でも、照明や冷暖房にかかる費用は人数分にはなりません。そのため世帯人数に応じた金額が設定されています。

第1類費(1人ごと)× 人数 × 逓減率 + 第2類費(世帯単位)= 生活扶助基準額

世帯が1人増えても金額が単純に倍にならないのは、この計算方法によるものです。

世帯人数別の金額

生活扶助の基準額は、住んでいる地域(級地区分)と世帯人数によって決まります。令和8年度の基準額は次のとおりです。

級地区分 1人 2人 3人 4人
1級地-1 76,220円 122,720円 154,830円 178,800円
1級地-2 74,810円 120,270円 151,650円 175,080円
2級地-1 72,930円 117,000円 147,420円 170,110円
2級地-2 71,050円 113,730円 143,190円 165,150円
3級地-1 70,580円 112,910円 142,140円 163,910円
3級地-2 68,240円 108,840円 136,870円 157,730円

1級地-1と3級地-2を比べると、単身で月に約8千円、4人世帯では約2万1千円の差があります。

お住まいの市区町村がどの級地にあたるかは、お住まいの地域のページで確認できます。

年齢によっても変わります

第1類費は年齢層ごとに単価が設定されているため、同じ世帯人数でも構成する年齢によって金額が変わります。上の表は一般的な年齢層をもとにした目安としてご覧ください。

上乗せされる加算

基準額に加えて、事情に応じた加算が上乗せされます。主なものは次のとおりです。

加算の種類 対象と金額の目安(月額)
障害者加算 障害の程度に応じて15,750円〜27,460円
母子加算 ひとり親世帯。子1人で16,100円〜18,800円
妊産婦加算 妊娠中・産後。7,390円〜14,120円
介護保険料加算 65歳以上の方の介護保険料相当額

加算は自動的につくものではなく、要件を満たしていることを福祉事務所が確認したうえで適用されます。手帳の交付を受けた、子どもが生まれたなど状況が変わったときは、早めにケースワーカーへ伝えてください。

各加算の詳しい金額と要件は、加算制度の一覧で解説しています。

冬季加算と期末一時扶助

冬季加算

暖房費が余分にかかる冬の時期には、生活扶助に冬季加算が上乗せされます。寒い地域ほど金額が高く、支給される期間も長く設定されています。おおむね11月から3月にかけて支給され、特に寒冷な地域では10月から4月まで支給されます。

この加算だけは級地区分ではなく、寒さの度合いによる別の地域区分で決まります。単身世帯の場合、温暖な地域では月2千円台、最も寒冷な地域では月1万2千円台と、かなりの開きがあります。

在宅で療養している方や乳児がいる世帯など、暖房を多く使わざるを得ない事情がある場合は、通常額の1.3倍まで認められることがあります。

期末一時扶助

年末年始に増える出費にあてるため、12月に1回だけ上乗せされるお金です。世帯人数と級地によって決まり、単身で11,240円〜14,500円、4人世帯で21,230円〜27,410円です。

使い道は自由?

生活扶助は現金で支給され、使い道は基本的に世帯の判断に任されています。食費をいくら、光熱費をいくらと細かく指定されるものではありません。

ただし、生活保護法には「支出の節約を図り、生活の維持及び向上に努めなければならない」という規定があります。生活を圧迫するような使い方をしていれば、指導の対象になります。

やり繰りして貯金してもよい

支給された生活扶助をやり繰りして貯金することは認められています。家電の買い替え、転居費用、子どもの入学準備など、使う目的がはっきりしていれば問題ありません。

まとまったお金を貯める予定があるなら、目的と目標額を先にケースワーカーへ伝えておくと確実です。

借金の返済には使えません

生活扶助を借金の返済にあてることは認められていません。最低限度の生活を維持するために支給されているお金だからです。借金がある場合は、返済を続けるのではなく債務整理を検討することが勧められます。

基準額は年度ごとに見直されます。ここで紹介した金額は令和8年度のもので、実際に適用される額は世帯の状況によって変わるため、詳しくはお住まいの福祉事務所にご確認ください。

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