うつ病や精神疾患でも受けられます
病気のために働けず、生活が成り立たない。生活保護は、まさにそうした状況を支えるための制度です。
うつ病、双極性障害、統合失調症、パニック障害、適応障害、不安障害、発達障害、知的障害など、病名や障害の種類によって対象から外されることはありません。
判断されるのは、あくまで次の点です。
- 収入が最低生活費を下回っているか
- 活用できる資産があるか
- 働ける状態にあるか(能力の活用)
病気によって働くことが難しい状況であれば、「能力を活用していない」とは判断されません。
働けないことをどう伝えるか
窓口では、就労できるかどうかを確認されます。次のような点を具体的に伝えてください。
- いつ頃から症状があるか
- 通院している医療機関、診断名
- 服薬の状況
- 日常生活でどのような支障が出ているか(外出、対人、睡眠、集中力など)
- 就労を試みた経験があれば、その結果
「今日は調子が良いので普通に見えるが、日によって大きく変動する」といった状態も、伝えなければ分かってもらえません。遠慮せず説明してください。
診断書を求められることがあります
就労の可否を判断するため、医師の意見書や診断書の提出を求められることがあります。また、福祉事務所が指定する医療機関での受診(検診命令)を案内される場合もあります。
診断書の費用の扱いについては、窓口で確認してください。
手帳がなくても申請できます
ここは誤解が多い点です。障害者手帳を持っていなくても、生活保護は申請できます。
手帳は障害者加算などの判定に関わりますが、生活保護そのものの要件ではありません。手帳の申請中でも、そもそも申請していなくても、生活に困っていれば保護の対象になり得ます。
同様に、障害年金を受けていなくても申請できます。
手帳や年金がある場合は伝えてください
すでに手帳や障害年金がある場合は、申請時に必ず伝えてください。障害年金は収入として扱われますが、一方で障害者加算の対象になる可能性があります。
身体障害・難病・持病がある場合
身体障害、内部障害、難病、慢性疾患なども同様です。次のような状況で働くことが難しければ、生活保護の対象になり得ます。
- 人工透析を受けており、通院の負担が大きい
- がんの治療中で就労が難しい
- 脳梗塞や心疾患の後遺症がある
- 難病の症状により継続的な就労が困難
- 腰痛やヘルニアなどで身体を使う仕事ができない
- 視覚・聴覚の障害がある
医療費については、生活保護の医療扶助により原則として自己負担なしで受けられます。治療費の心配で受診を控えている方こそ、相談する価値があります。
他の制度が優先される場合があります
難病の医療費助成、自立支援医療、労災保険など、他の制度が使える場合はそちらが優先されます。それらを使ってもなお生活が成り立たない場合に、生活保護が適用されます。
どの制度が使えるか分からない場合も、窓口で相談すれば整理してもらえます。
障害者加算が受けられることも
一定の障害がある方には、通常の生活扶助に加えて障害者加算が上乗せされます。
| 居住の状況 | 重い区分 | それに次ぐ区分 |
|---|---|---|
| 在宅・1級地 | 27,460円 | 18,300円 |
| 在宅・2級地 | 25,540円 | 17,020円 |
| 在宅・3級地 | 23,620円 | 15,750円 |
おおよその目安として、重い区分は身体障害者手帳1・2級、障害基礎年金1級、精神障害者保健福祉手帳1級に相当する方が対象です。それに次ぐ区分は、身体障害者手帳3級、障害基礎年金2級、精神障害者保健福祉手帳2級に相当する方が対象になります。
なお、精神障害者保健福祉手帳3級は原則として対象外です。また、手帳を持っているだけで自動的に決まるものではなく、障害の状態や初診日からの経過などを踏まえて福祉事務所が判定します。
常時介護が必要な場合
日常生活で常時の介護を必要とする重度の障害がある場合は、さらに16,560円が加算されます。同じ世帯の家族が全面的に介護している場合は13,890円、外部の介護人をつける費用が必要な場合は75,820円の範囲内で認められます。
ひきこもり・働けない状態が続いている場合
診断名がついていなくても、長期間外に出られない、対人関係が難しくて就労が続かない、といった状況の方もいます。
この場合も、まずは相談してみてください。医療につながっていない場合は、受診の相談から始めることもできます。医療扶助を使えば、費用の心配なく受診できます。
すぐに働けなくても支援があります
生活保護には「自立の助長」という目的もありますが、それはすぐに就職することだけを意味しません。段階を踏んだ支援の仕組みがあります。
- 就労準備支援…生活リズムを整える、対人関係に慣れるなど、就労の前段階からの支援
- 被保護者就労支援事業…相談員による個別の就労支援
- 技能修得費…資格取得や職業訓練の費用(92,000円以内)
「働けないから申請できない」ではなく、「働けない状態を支えながら、少しずつ立て直していく」ための制度です。
家族の理解が得られない場合
親族に知られたくない、反対されそうだという事情がある場合も、それを窓口で伝えてください。扶養照会は必ず行われるわけではなく、事情によっては控えられます。
体調が優れないときに役所へ行くのは負担が大きいものです。可能であれば支援者に同行してもらう、まず電話で相談してみるなど、無理のない方法から始めてください。
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